名古屋工業大学 社会工学専攻 耐震工学/構造工学研究室
橋梁の腐食環境調査と
数値化環境技術を用いたシミュレーション

橋梁の腐食環境調査
橋梁まわりの腐食環境の定量的な評価
腐食の進捗状況を測定できるACMセンサ・温湿度センサを橋梁に設置

ACMセンサ(左上)と実際の調査状況


ACMセンサのしくみ

測定結果の例 (点:測定値,線:較正曲線)
ACM(Atmospheric Corrosion Monitor)センサ
結露等によりセンサ表面に水が吸着
センサ表面での酸化・還元反応により電流(腐食電流)が発生
腐食電流を測定し腐食が起こる大気環境をモニタリング
付着塩分量・鋼材腐食速度の推定
  • 較正曲線を元に付着塩分量を推定
  • 計測結果から鋼材腐食速度を算出
腐食しやすい箇所を予測

数値流体解析の橋梁近傍における腐食環境シミュレーションへの適用
腐食環境の評価には,水分の結露・蒸発現象の表現が必要
数値流体解析(STAR-CD)を用いて結露・蒸発現象を表現

水滴核による結露・蒸発の表現
  • 微小な球体の水滴核を壁面に付着し,その成長で結露を表現
  • 球体と同体積の半球に換算し,水滴温度(重心)Tdと壁面温度Twから水滴-壁面間の熱流Qwを計算
桁内蒸発シミュレーション
桁内一様の結露したと仮定し,天井面の温度を低くした場合の蒸発状況をみる

側面、床面に比べ,天井面の水滴が完全に蒸発するのに6倍の時間を要する
  • 壁面の温度の違い
  • 側面,床面の蒸発に伴う天井面の相対湿度の上昇
桁内で結露すると天井面での腐食環境が他面に比べ厳しくなると予想される

水滴分布

相対湿度分布

メソスケール気象モデルによる気象情報取得
腐食環境の正確な把握には局地的な気象データが必要
メソスケール気象モデルMM5を用いて気象予測を行い局地的なデータを取得

MM5実行の流れ

気圧配置の比較

名古屋気象台との比較(気温,相対湿度,風速)